25_BtoBのための「MA(マーケティングオートメーション)入門編」⑤~MAツールの選び方

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前回記事:24_BtoBのための「MA(マーケティングオートメーション)入門編」④~MA導入のタイミングは?

MAツールの選び方

 

MAツールはさまざまな種類、コストもピンキリで、どのように選べばよいのか?お悩みの企業も多いと思います。

 

BtoB、中小企業の方におススメする選び方としては、

  1. 導入コストが安いこと
  2. 自社で使いこなせるか?

の2点がポイントです。

 


 

各ツールを比較してみると、一口に『MA(マーケティングオートメーション)ツール』といっても
BtoCに強いもの、BtoBに向いているもの、
そして大規模向けから中小規模向けまで、
さまざまであることがなんとなくわかりました。

 

そしてその特長、機能も細かく違いがあるようです。

 

1. 導入コストが安いこと

 

BtoB企業は、BtoC企業のようにWebから直接売り上げが上がるわけではありません。

あくまで問い合わせをもらったり、営業の効率化をする程度の効果があればよいと考えると、
「費用対効果」の面から見て、あまり高いものを導入しても合いません。

 

高いのじゃないと使えない、効果が無いのでは?とも思いましたが、
よくよく調べてみると、実はそうとも限らないということがわかりました。

 

2.自社で使いこなせるか?

 

さまざまなMAツールがあり、多種多様な機能が備わっていますが、
専門家がいるような大企業ならともかく、フツーの中小企業では全てを使いこなすことは
スキル面でも、リソース面でも、かなり難しいことが容易に想像できます。

 

「ペルソナを設定して、カスタマージャーニーマップを作成して、
Webサイトのキーコンテンツを分析してスコアリングのルールを策定し、
タイミングに合わせた各種コンテンツを制作して…」

・・・かなりの無理ゲーですよね。

 

やりたいことを明確にして、そのために必要十分なツールを選ぶという方針でツールを選択しましょう。

 

「多機能だから」という理由で導入しても、実際に運用するスタッフの人数や時間、
知識が足りなくて、使いこなせなくては意味がありません。

 

各社では導入前の説明会やデモを実施していますので、
管理画面を直接触って、「使えそう」な感触のツールを選びましょう!

 


 

以下は2017年5月現在、私が調べた各社のMAツールです。
進化が速いため提供機能や価格が変わってると思われますので
あくまで参考までに・・・

 

<中小企業向け>

リストファインダー

 

株式会社イノベーションが提供。

月額3万円からの比較的低コストで国内導入実績700社以上、とトップシェア。
操作画面もシンプルで使いやすく、高度な専門知識がなくても初めてマーケティングツールを使う企業に向いていることから支持されています。
初期費用 100,000円
ランニングコスト 30,000円~
https://promote.list-finder.jp/

 

Kairos 3

 

2012年に株式会社ビジネスブレークスルーの支援を受け創業。

なんといっても価格の安さが特長、1桁安いスモールスタートが可能となります。
低価格にもかかわらずメール配信機能やセグメント機能・スコアリング機能といった
マーケティングオートメーションに必要な機能を備え、容易に導入が可能です。

セグメント・スコアリング機能共に粒度が粗くシナリオ設計機能がオプション、分析機能も少ないなど、
スコアリングなど本格的なMAをやりたい企業には物足りないかもですが、中小企業には十分です。

初期費用 10,000円~
ランニングコスト 5,000円~120,000円
https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation

 

SATORI

 

2015年創業のSATORI株式会社が提供。

問い合わせ後の実名顧客はもちろん、問い合わせ前の匿名客にアプローチする
アンノウンマーケティングに特化、リードジェネレーションに強い。
プライベートDMPを搭載しているためメール配信だけでなく多様な広告配信、
プライベートDMPで集めた広告データと紐づけたアプローチが可能。
分析機能がほとんどないためGoogle AnalysticsといったWeb解析ツールとの併用が必要。
SalesforceのSFAと連携できないため顧客管理が少々不便とも言われます。

初期費用 100,000円~
ランニングコスト  100,000円~
https://satori.marketing/

 

シャノン

 

展示会やイベントの受付管理システム開発を行う株式会社シャノンが運営。

イベント、セミナーなどオフラインマーケティング活動の管理が特長。
イベントごとの単発利用も可能で、費用は18万円~。
単体では分析・解析機能がなく、効果検証を行うためには連携しているTableauや
他の解析ツールを導入する必要があります。

初期費用 25,000円
ランニングコスト 25,000円~265,000円
http://www.shanon.co.jp/marketingautomation/

 

<中~大手企業向け>

Pardot

 

Salesforceが提供しているMAツールで、2014年から日本展開しています。

SalesforceのSFAを既に導入している企業にとって、導入・連携が簡単です。
迅速にイベント名刺をMA活用できるため、イベント後も早急に見込み顧客にアプローチすることができます。
日本語対応しておらず、スコアリング機能も限定的、分析機能もほとんどありません。

初期費用 0円
ランニングコスト スタンダードタイプ:118,000円/月
プロタイプ:236,000円/月
アルティメットタイプ:355,000円/月

B2Bマーケティングオートメーションとリード育成のツール
Marketing Cloud Account Engagementのマーケティングオートメーションは、チーム間の連携の改善、新規リードの喚起と育成、リード管理プロセスの強化により、マーケティングとセールスを強化し、成功へと導きます。

 

HubSpot

 

インバウンドマーケティングを提唱する企業で、世界45カ国の約6,000社にツールを提供しています。

CMS機能に優れ、主にリードジェネレーション(見込み客の獲得)領域に強みを持ちます。
インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングの実践をしていく際にも力強い効果を発揮します。
インバウンドマーケティングに重きを置いており、リードジェネレーションには力を発揮する一方、
見込み客育成機能は手薄と言われます。また日本語対応していないため、日本語のマニュアルが必要です。

初期費用 0円
ランニングコスト 240,000円~288,000円
http://www.hubspot.jp/

 

Adobe Marketing Cloud

 

Illustrator、Photoshopなどクリエイターツールの雄、Adobeが提供するMA。

Adobe Analytics、Adobe Targetなど8分野で企業のマーケティングソリューションを提供。
顧客へのエンゲージメントにこだわり、高度にパーソナライズさせた施策を打つことができます。
コンサルティングサービスにより、導入企業におけるマーケティングの強みや弱みを把握することも可能。
Photoshopで作成した画像をそのまま営業メールで利用できるなど、Adobe製品を利用している企業はメリット多し。
元々Omuniture Web解析ツール、Webコンテンツ管理 Day Software、キャンペーン管理 Neolaneなど
複数のマーケティング関連ツールを買収して完成したサービスのため、
全シリーズを導入すると統合型マーケティングが実践できる半面、コストが高騰してしまうデメリットも。

初期費用   要問い合わせ
ランニングコスト 要問い合わせ
http://www.adobe.com/jp/marketing-cloud.html

 

Marketo

 

世界で4,500社以上に導入実績がある米国大手のMAベンダー。2014年に日本支社設立、日本語対応。

BtoB領域において幅広い業種で採用。SanSanやSalesforceとの親和性が高く、アカウント数ベースでの
料金体系で比較的低コストで運用可能。フォーム作成時などクリエイティブ面の柔軟性も魅力。
単体ではカバー領域が限定的で、統合型マーケティングを実現するには他ツールの導入が必須とされます。
基本的なサポートは機能の使い方などのレクチャーが中心なため、社内運用できない企業は、
代理店やコンサルタントに外部委託するケースが多いようです。

初期費用 0円(レクチャーを付加する場合は有料)
ランニングコスト スパークタイプ:143,400円/月
スタンダードタイプ:215,400円/月
https://jp.marketo.com/

 

Oracle Marketing Cloud(旧 Eloqua)

 

MAサービス先駆者であるカナダEloqua社を米国Oracle社が買収。

高度なリストセグメント機能を持ち、顧客の属性、施策に対する反応などでスコアリングして
16段階にセグメンテーション、見込み顧客を育成。どのキャンペーンが誰に効果があったのか、
スコアリング結果のわかりやすいレポートが魅力。
幅広い機能が備わっている一方、使いこなすための高度な経験とITスキルが求められます。
社内にテクニカルな技術領域に対応できる専任マーケターが必要。
完全な外国製品のため、日本市場に見られる独特のマーケティング施策への対応などが十分でないと言われます。
導入サポートを代理店に依頼するケースが多く、代理店の選定もポイントとなります。

初期費用 要問い合わせ
ランニングコスト 2,000米ドル~4,000米ドル
https://www.oracle.com/jp/marketingcloud/index.html

 


 

上記に挙げたツール以外にも、MAツールは続々と誕生しています。

ざっくり、全体的に感じることは、

  • 中小向け、低コストツール:メルマガをフックにしたWebサイト来訪者を把握する機能に特化
  • 中堅~大企業向け:上記に加えて各種広告との連動、CRMとの連携など機能が豊富

という違いがあります。

これまで①~④でお話した点を元に、
自社で必要な機能は何か?使いこなせそうか?という視点で、
選ぶことをお勧めします。

 

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