27_サイト解析が苦手な人向け~Googleアナリティクスとの向き合い方 +自動ツールご紹介

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◆サイト解析が面倒くさい、難しい理由

 

企業のマーケティング担当の方で、Webサイトの解析~改善施策立案が得意!という方は、どのくらいいるでしょうか?

 

私は長年、企業のマーケティング担当者の方々とセールスツールの企画制作の仕事をしてきましたが、
皆さん
「他の業務が忙しく時間がかけられない」
「さまざまなデータがあるが、何を見てどうしたらよいかわからない」
など、多くの方が「サイト解析が難しい、苦手」と感じているのを目の当たりしてきました。

 

サイト分析ツールとして最もメジャーなのはGoogleアナリティクスです。
(大手、外資企業ではもっと高機能な有料の解析ツールを利用されていたりします)

Googleアナリティクスは無料で使えますが、非常に多機能ですし、どんどんアップデートして機能が追加されます。
把握できるデータ、項目もアクセス数、離脱数、コンバージョン数などさまざまであり、
細かく分析しようと思えば非常に有効なツールです。

しかし、細かな分析のためには専門的な知識が必要です。
取得できるデータが多い=分析にも時間がとられます。

 


 

◆サイト分析は何のために行うのか?

 

そもそも論ですが、分析する理由は「Webサイトの効果を高めるため」です。

では「Webサイトの効果」とは何でしょう?

 

BtoC、ECサイトであれば、掲載された商品が一つでも多く売れる事であり、「売上」という明確な指標があります。

 

しかし、BtoBにおいてWebサイトで製品やサービスを購入いただくことは稀です。
ほとんどない、と言ってもよいでしょう。

 

その場合、効果、成果としては「コンバージョン率を高める」ということになります。

BtoB Webサイトにおいて、成果=コンバージョンは「資料ダウンロード」「セミナー参加」「問い合わせ」などにあたります。

 

しかし、ココが問題なのですが、「コンバージョン率の向上」は目的、でありますが、改善指標にはなりません。

要するに、Googleアナリティクスなど解析ツールでこの数値をいくら把握しても、
「具体的な改善案は見つからない」
というお話です。

 

サイト分析は、「Webサイトを(目的達成のために)いかに改善すべきか?」という、
改善策を見つけて実行し、その効果が正しく反映されているか、を確認するために行われるべき
なのです。

 


 

◆「数値から導き出された対応策」にありがちな問題

 

Btoc商材やECサイトと違い、BtoBのWebサイトにおいて、分析数値から導き出された対応策をすべて実施する事は
ほぼ不可能、と肝に銘じましょう。

 

例えば「集客が弱い、そもそも来訪者が少ない」という課題であっても
BtoB企業でWeb広告に多額の出資ができるでしょうか?

 

また「Webサイトのリニューアルの結果、従来よりも滞在時間が短くなった」という数値が出たとして、
滞在時間を長くすれば問い合わせが増えるでしょうか?
(すっきりわかりやすくなったので滞在時間が短くなっただけ、かもしれません)

 

BtoBにおいては、
訪れた人の総数が少なくても、また滞在時間が短くても、問い合わせ数が増えていれば問題なし、成功なワケです。

それなのに、数値の増減にいちいち驚いてしまうと、どんどん袋小路に入り込んでしまい
ヘンな改善策に手を出して費用と手間ばかり増える、というリスク
があります。

 


 

◆BtoBにおけるWebサイト解析のコツ

 

BtoBにおいてWebサイトに訪れた来訪者が資料をダウンロードしたり、セミナーに申し込んだり、問い合わせしてきたり、
「コンバージョンする」のは「Webサイトがよくできているから」ではなく、
「そのWebサイトに掲載されている商品やサービスが、自社の課題を解決してくれそうだ」と期待したから
にほかなりません。

 

ですので、BtoBにおける「Webサイト改善」のためには

・コンテンツ(掲載情報)の内容

・各ページのリンク構造(動線/導線)

・デザインやUI(ブランディング)

という具合に、ユーザーの目線、行動に近いところから分析して、見直していく事がポイントです。

 

GoogleアナリティクスなどのWebサイト分析ツールを使用するとアクセス数、PV数、ユーザー数、滞在時間、離脱率など
さまざまな数字が把握できますが、それでお腹いっぱいになってしまっては本末転倒です。

その数字の中から「ユーザーの目線、行動に近いものに集中して、推測される問題点を改善していく」ことが
BtoBにおけるWebサイト解析のコツです。

 


 

◆実は打つべき改善策はざっくり4つしかない

 

ありとあらゆる数値を解析しても打つべき施策は見つからない、というのは前述したとおりですが、
それではどうすればよいの?というと、実は打つべき改善策は大きく、下記の4つしかありません。

 

①新規流入が不足している

 

BtoCやECサイトならSEMなどキーワード連動広告を実施する、となりますが、
BtoBにおいては予算に限りがあり、なかなか実行するのは難しいのが現実です。

 

もう1つ、やるべきことはSEO対策です。SEOとは「サーチエンジン検索対策最適化」。
サイトのコンテンツや構造を見直して、
自然検索に対して少しでも検索結果で自社サイトを上位表示してもらうための対策です。

 

SEO対策はGoogleによってどんどん更新されています。例を挙げれば、

 

・コンテンツの記事ボリュームも重要

かつては「サイトにあまり文字が多いと離脱されるので、なるべく簡潔にまとめましょう」だったものが、
現在ではしっかりボリュームがある記事=ユーザに有益な情報を発信しているサイト、として評価され、
上位表示される可能性が高くなります。(一説では1,500~2,000文字が最適、とか・・・)

 

・モバイルフレンドリからモバイルファーストへ

長年、「BtoBではスマホでの訪問は少ないので対応しなくてよい」とされていましたが、
SEO対策の世界ではモバイルフレンドリから今やモバイルファースト、
スマホ対応されていないサイトは上位表示されなくなってしまうため、いまやスマホ対応は必須です。

 

・セキュリティ対応(https化)

スマホ対応と併せて重要なのがサイト全体のhttps化です。
問い合わせフォームだけ、ではなく今や「サイト全体がhttps化」されていないと、
検索結果表示の時に上位表示されなくなります。
*2018年7月下旬にリリースが予定されている「Crome 68」ブラウザでは、https化されていないサイトは
「このサイトは保護されていません」という警告表示がなされる、という情報もあります。

 

・キーワードとディスクリプションだけではNG

SEO対策で最低限、キーワードとディスクリプション(説明テキスト)だけはしっかり対応しましょう、
とされていましたが、現在ではページ毎に適切なh1タグを入れておかないとダメ、とされています。

 

これ以外にも、最近では
「表示スピードも検索結果に影響する(スピード・アップデート)」
「Google のサーチコンソールに登録する」
など、最低限やるべき、とされる項目は沢山あります。

 

「SEOってリンク張ればいいんでしたっけ?」とか言ってると悪徳業者にお金をふんだくられます。
しっかり情報をアップデートして、対策を検討しましょう。

 


 

②離脱が多い

 

来訪者はそこそこいるが、離脱が多い、という課題に対しては、

・「このページを見た後にどのページに進んで欲しいのか」という動線(導線)設計が悪いケースがほとんどです。
「ロゴを押してTOPページに戻ってもらえれば」とか、
「グローバルナビ(メニュー)から他のページを適当に見てもらえれば」などの曖昧な考えだと、
移り気な来訪者はすぐによそのサイトに行ってしまいます。

このページを見た人が次に読むべきページは?を考えてしっかりリンクを表示する、
CMSサイトであればタグクラウドを使う
、など、
「次に進むべきページ」をしっかり提示するだけで、サイト内回遊率は改善します。

 


 

③直帰率が高い

 

直帰率が高い場合、せっかく検索して辿りついたページが、
その人が探している情報が載っていない(と思われている)事が原因です。

 

検索キーワードに適切なページに来てもらえるようにページの説明文とh1タグなどを見直す、
といった検索から辿りつくページ自体を変えたり、
ページ自体は検索ワードと合っているが直帰が多い場合は、
ページの説明文や図を見直して、「ここがあなたが探している情報の載っているページですよ」と
理解されるようにコンテンツ(掲載情報)を見直し
ましょう。

 


 

④サイト全体のPVが少ない

 

これも関連する情報のページにうまく誘導できていないケースがほとんどです。
(そもそも情報が載っていない場合を除く)

②と同様に、関連する情報ページへのリンクをきちんと貼る事が重要です。

 


 

いかがでしょうか。
Webサイト分析、解析は「手段」であるにも関わらず、
その複雑さからいつの間にかそれが仕事と「目的」のように勘違いしたり、忙しさにかまけて放置したりしがちです。

 

繰り返しになりますが、サイト分析は、
「Webサイトを(目的達成のために)いかに改善すべきか?」という、
改善策を見つけて実行し、その効果が正しく反映されているか、を確認するために行われるべきなのです。

 

競合他社の情報発信や、Googleの発信するSEO対策など、Webサイトをとりまく状況は常に変化しています。

 

その中で検証と改善を継続して行うには、
Googleアナリティクスのレポート作成に時間と手間をかけるのはナンセンスですので、
ツールを活用(下記参照)するか、もしくはしかるべき専門家にアウトソースしましょう。

 

そして、できるだけユーザーの目線、行動に近い小さな目標を立てて、
(このページの離脱率を10%改善しよう、とかこの見てもらえていないページのPVを10から20にしようとか)
すぐできる、成果がわかりやすいところから実施してみる、
そしてその部分に絞ってサイト解析ツールで確認していく、
というのが正しい向き合い方、と言えます。

 


 

*google アナリティクス 日本語で運用できる便利な無料ツールご紹介

 

「AIアナリスト」
株式会社WACUL(ワカル)さんが提供する、人工知能でアクセス解析からサイト改善案の提案まで行うサービスで、サイト登録と改善案の確認は無料で行うことができます。が・・・残念ながらレポート作成にほんとうに役立つのは有料版の「評価」機能です。
月別の訪問数・CV数・CVRを自動で見やすくレポーティングしてくれます。前月と比べたデータの上下も簡単に確認できます。

 

「アクセス予測&曜日・時間別平均値分析ツール

株式会社インプレスさんが提供するレポーティングツールです。Googleアナリティクスのデータと連携、認証と期間設定だけの簡単な操作で、曜日別・時間帯別のアクセス数などを表示してくれます。曜日別データの集計では祝日を自動判別し平日とは分けて集計してくれるなど、細かいですが便利な機能があります。

 


 

RCMはGoogle アナリティクスでのWeb解析にお悩みのBtoB企業向けに、
レポート自動化など、さまざまな対策を提供します。

詳しくは下記までお問い合わせ下さい。

株式会社Red Comet Management
www.red-cm.com/

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