前回記事:22_BtoBのための「MA(マーケティングオートメーション)入門編」②~MA導入のハードル
今回は
「MAをスタートアップでシンプルに導入、すぐに活用して効果を出す方法」
についてお話しします。
手段と目的を履き違えない
多くの企業でMAツールが検討されているのに導入に踏み切れないのは、
導入前にやるべきとされるプロセスが「重過ぎる」事にあります。
一応、改めて『べき論』から改めて解説すると、MAツール導入初期の最重要な工程とは、
『これまで、自社の営業担当者が「経験的」「属人的」に持つ判断基準を、ベストプラクティスとして「標準化」し、「シナリオ」にいかに落とし込む事ができるか』
であり、さらに具体的には、
『これまで営業担当者が行って来た商談、リード状況の「見極め」と、見込み顧客の状況に応じた「情報提供」や「コミュニケーション」の手段、方法を考え、それらをどの「タイミング」で「実行する」のか、を「シナリオ」として落とし込み、どのように設定するか策定する』
という事になります。
・・・読んでいただくとお分かりの通り、これは非常に難しい作業です。
「そんな事ができていたら苦労はしない」と言われても仕方ないレベルです。
そしてさらに、その後は
『実際の見込み顧客の反応や行動に応じて、MAツールが適確に判断、スコアリングして、自動的に実行しているかを評価する基準、
各種の目標数値(KPI)を決めていかなければならない』
『そのシナリオは振り返り見直して、常に更新し続けるべきです』
と続きます。もちろん、これらが実現できれば理想です。
しかしズバリ言って、これでは多くのフツーの企業ではMAツール導入を諦めましょう、と言っていると思われても仕方ありません。
しかし、前回から繰り返しお話ししている通り、
MAツールは「目的達成のための手段」に過ぎないのであって、それを「導入が目的」と履き違えない事が重要です。
これまでご説明してきた通り、MAツールは
自動化、効率化のための「手段」=「人間が作ったシナリオの実行をサポートするためのシステム」
に過ぎません。
MAツールでできる事=機能を知れば知る程、欲張りになって、あれもこれも一気にやろうとすると破綻します。
『いまの自社の営業活動の状況を把握し、少しでも効率化、強化できるところはないか?』
という点に目的を絞るだけで、すぐにやれる事、やるべき事が見えてきます。
BtoB営業活動の課題
売上を持続させ、向上するためには大きく
- 新規顧客の獲得
- 既存顧客へのクロスセル、アップセル
- 休眠顧客の掘り返し
があります。
そのために、多くの企業では
- 電話によるテレマーケティング(テレアポ活動)
- メルマガの配信
- プライベートセミナー開催、展示会出展
などの営業活動施策を実行しています。
それであれば、いま実施しているプロセスに絞ってMAツールでの効率化、強化を図ってみる事をオススメします。
すぐにできるMA活用法
シンプルに、
- 新規:テレアポ時の資料送付メールに使う
- 新規/既存:セミナーや展示会への招待メール、来場サンクスメールに使う
- 既存/休眠:メルマガ配信に使う
事と、
- 自社WebサイトにMAツールのタグを埋め込む
これだけです。
これで何が得られるか、というと、
「どの企業」の「誰」が、Webページにいつ訪れていて、どのページを見ているのか、どの資料をダウンロードしてくれたのか
という情報が把握できるようになります。
Google Analyticsなど、Web解析ツールとMAツールとの違いは、この「個人を特定できる」という点に尽きます。
あとはMAツールで何らかのアクションがあった、と判明した見込みのお客様に対して、
営業スタッフが速やかに個別で対応していくのみです。
少ないリソースで効率よく、興味、関心のある見込みのお客様を特定でき、速やかにアプローチする事ができれば、
確度の不明確な大勢を相手にローラー作戦を展開するよりもはるかに効率的ですよね。
そもそもの対応件数が少ないBtoBかつ、スタートしたばかりのインバウンド マーケティングでは、
反応があってから対応し、その履歴をまとめて後々、自動化や効率化を図る、という順序でもなんとかなりますよ、というお話です。
次回は、「MAを導入するのに最適なタイミングは?」について、解説します。
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