これまで長く、対面での営業が主体だったBtoB企業。コロナ禍により商談のオンライン・デジタル化が、一気に加速しました。
「なかなかWebからの問い合わせにつながらない」ことからマーケティングに着手し、コンテンツ(営業情報)の発信に注力したいものの、「どこから着手すればよいのかわからない」とお悩みではないでしょうか。
そこで今回は、営業を変える最短ルート、マーケティングコンテンツの整備と強化について、
- どのような順番で着手すればよい?
- どのコンテンツを整備・強化したらよい?
- コンテンツはどのような視点で整備・強化したらよい?
という疑問にお答えし、「最短・最小で成果を出す勝利の方程式」として、LP+eBOOKの必要性と効果を解説します。
BtoB企業のコンテンツ整備・強化は、どのような順番で着手すればよいのか?
BtoB企業が商談で活用するコンテンツは、かなりの数と種類に上ります。
またBtoBの場合、オンラインだけで商談が完結することはほとんどありません。
そのため、「デジタル=Web」上のコンテンツだけでなく、問い合わせ後に営業が商談の現場で使う、「オフライン」のコンテンツも含め、一気通貫で整備する必要があります。
ですから、無計画にあれもこれもと手を付けるとお金も時間もいくらあっても足りません。優先順位を付けて、もっとも効果的な場所から着手することが大切です。
この優先順位の付け方は、状況によって異なりますが、シンプルに
- いま、自社が一番売りたい注力商材は何か?
- いま、一番市場でニーズの高い(売れる)商材は何か?
から着手しましょう。
何のコンテンツを整備・強化したらよいか?
商材が決まったら、次は何を準備するのか?です。
これまたシンプルに、実際の商談のフローに沿って、お客様の目に触れるコンテンツから順番に整備していきましょう。
BtoB企業が整備・強化すべき「必要最小限」のコンテンツは、次の通りです。
①Webサイト(LP)
まずは商材を紹介するWebページを制作します。この時、コーポレートWebサイト(企業サイト)全体をいじると時間がかかり大変なので、1つの商材に絞って、「LP」を制作することをオススメします。
LPとは、ランディングページの略称で、自然検索や広告から、見込み顧客が「最初に訪れる」ページを指します。
「製品ページなら既にある。これではダメなのか?」と疑問を持つ方が多いのですが、結論から言えば、別にLPを作る必要があります。
なぜなら、製品ページは文字通り製品の解説が主で、その対象は「製品に興味・関心がある人」です。しかし、自然検索で特定の製品名を検索する人はごくわずかで、圧倒的多数は「まだ製品のことは知らないが、なんらかの業務(経営)課題を抱えている人」。対象が異なるのです。
そのため、LPの制作時には徹底した顧客目線が求められます。
商材を売るためのLP制作、となるといきなり機能などの細かな説明をしてしまいがちですが、このLPを見る段階では相手はまだ商品のことは知りませんし、興味もありません。
ですので、可能な限り見込み顧客層の課題点を挙げて、「共感してもらう→解決策に興味を抱いてもらう」ことが大切です。
課題を挙げて、解決策を明示して、そして興味・関心を持った人が「もう少し詳しい話が聞きたい」と意識変容させるのが、LPの役割です。
②eBOOK(ダウンロード資料)
LPを制作する際、できるだけ一緒に整備したいのがこのeBOOKです。
eBOOKとは、オンラインのマーケティング活動において見込み顧客層にダウンロードを促し、その代わりに名刺(リード)情報をゲットする仕掛けに用いられる小冊子のことです(日本企業ではホワイトペーパーと呼ばれることが多いのですが、ホワイトペーパーは文字通り『白書』の意味で、厳密には別物です)。
このeBOOKもLPと同様、詳しい製品情報ではなく、一般的な市場調査や、課題の背景と解決手法の解説など、ジェネラルかつ見込み顧客層が検討にあたって「役に立つ・読みたい」情報を掲載することが求められます。
なぜLPにこのeBOOKを置く必要があるのか?と言うと、LPを見ていきなり「問い合わせ」する人はごく僅かだからです。
その点、eBOOKをダウンロードしてもらう方が見込み顧客は心理的ハードルが低く、その結果として問い合わせというCV(コンバージョン)の代わりに、資料ダウンロードでリード(名刺)情報というCVが得られるのです。
③プロダクトページ(Web/製品ページ)
この次に登場するのが、製品の機能やスペックを紹介するWebページ(プロダクトページ、商品ページ)です。「既にこれはある」という企業の方が多いでしょうから、流用できます。
繰り返しになりますが、LPとこの製品ページを敢えて分けて2つ用意する理由は、見込み客の興味・関心度合い別、マーケティング活動の用途別、ということです。
LPやeBOOKで興味・関心を持った方がさらに詳しく、という場面や、最初からある程度知っている、関心が高い「課題顕在層」向けはプロダクトページ、とLPとは別に用意する必要があるのです。
ここからは、Webサイトを見た見込みのお客さまから「問い合わせ」をもらった後に、商談で必要になるオフライン・コンテンツです。
④ソリューションパンフレット
ソリューションパンフレットは商談時に持参するほか、「詳しい製品資料を送ってください」とリクエストされた際にお送りする役割があります。
こちらもスペックや機能だけではなく、お客様の経営課題を解決する「ソリューション」解説にしなければなりません。
>「ソリューションパンフレット」はこちらで詳しく解説しています。
⑤提案資料(パワーポイント)
パワーポイントの提案書は、商談時にお客さまにしっかりと、さらに詳しく説明する資料です。
多くの企業はこの制作を営業各自に任せていますが、そのせいで商談の確度やクロージングのスピードが人に依存する「営業属人化」の原因となり、営業の負荷を高める原因となっています。
これまで説明してきた①~④の流れに沿って、「さらに詳細な」資料として、会社として標準の提案資料を整備しましょう。そうすることで誰が行っても一定の説明の品質が保たれ、営業が説明できないお客さま社内の稟議などのシーンでも、効果を発揮して受注の確度が高まります。
>「パワーポイント営業提案書」はこちらで詳しく解説しています。
ここまでが、BtoB企業の必要最小限の整備すべきコンテンツとなります。
これに加えて、中長期的に整備すベきコンテンツである「導入事例」と「オウンドメディア(Blog)」を加えた全体像が、こちらです。
「オウンドメディア(Blog)」はSEO対策として、ロングテールで徐々にWebサイトの集客を増やす効果があります。
>「オウンドメディア」の詳しい解説はこちら
「導入事例」はお客様の声をマーケティングに活かし、見込み顧客層に安心感、信頼感を訴求し、商談クロージングを早期化する効果があります。
>「導入事例」の詳しい解説はこちら
これらは整備に時間がかかるため、じっくり腰を据えて取り組む必要があります。
「LP+eBOOK」整備の効果
某大手企業から「必要最小のコンテンツ整備は何ですか?」「それを整備すれば、ほんとうに成果が上がりますか?」とのご相談があり、約2か月かけてLPとeBOOKを整備しました。
その商材は非常に競合が多く、また競合他社よりも機能は豊富ですが大企業・エンタープライズ向けで価格が高いこともあり、これまでWebからの問い合わせは半年間で1件だけでした。
ところが、LPとeBOOKを公開したら初月に資料ダウンロードが5件、問い合わせが1件入り、その後わずか3か月間で資料ダウンロードが30件、問い合わせが10件という成果が上がりました。
これはこの企業に限らず、複数の企業で同様の成果が得られています。多くのBtoB企業から「自分たちで悪戦苦闘しても成果が出なかったのに、短期間で成果が得られて驚きました。正しく実行すればほんとうに成果が上がるのだ、と実感しました。」とのコメントが寄せられています。
まとめ
いかがでしょうか。今回はBtoB企業のコンテンツ整備の「勝利の方程式」として、最少のコストと稼働で制作でき、確実なWebからのリード獲得、問い合わせにつながるLP+eBOOKの制作をメインに、コンテンツ整備の全体像を解説しました。
大きなビジネス環境変化に伴い、従来型の営業手法や見様見真似でのマーケティング活動は、限界を迎えています。
本気でコンテンツ発信に取り組みたいBtoB企業のご担当者の方は、ぜひお気軽に当社へお声がけください。
>お問い合わせはこちらまで
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