17_「インサイドセールス」の必要性~②タイプ3つと実施のための取り組み方法

前回①は「インサイドセールスとは何か?」「なぜいま、インサイドセールスの必要性が高まっているのか?」についてご説明しました。

 

今回②では「インサイドセールスの具体的な役割」と、「実施する際に必要となる取り組み」についてお話します。

 


 

■インサイドセールス 3つのタイプ

 

企業や商材により異なりますが、BtoB企業におけるインサイドセールスの役割は

 

〇見込み顧客育成(リードナーチャリング)

〇見込み顧客の絞り込み(リードクォリフィケーション)

〇マーケティング部門と営業部門の橋渡し役(マーケティングプロセスの効率化)

 

となります。

 

実施範囲は、大きく以下の3タイプです。

 

①アポ獲得 タイプ

日本で一般的なインサイドセールスの役割です。
マーケティングと営業の間でフィールドセールスの商談機会の創出を目的とします。

>社内KPI:営業への商談件数や商談金額

 

②クロージング タイプ

Web会議システムなどを用いてクロージングまで行うパターン。
アメリカではこちらが一般的です。日本の場合は単価が低く導入しやすい商材に適しています。

>社内KPI:受注顧客数、受注金額

 

③既存アップセル タイプ

営業リソースが不足しているため既存顧客対応に追われ、見込みフォローができていない、という場合に適しています。
担当者が別案件で多忙のため新規提案だけインサイドセールス部隊で対応する、といったケースもあります。

>社内KPI:営業への商談件数や商談金額

 


 

■インサイドセールス導入に向けて行うべき取り組み

 

前回の「インサイドセールスのメリット6つ」でご紹介した通り、
一見良いことずくめのインサイドセールスですが、
実施はなかなか難しく、超えるべきハードルがいくつかあります。

 

1.人材確保と組織編制

 

専門にこのインサイドセールス業務を行うスタッフを束ねて組織化することが必要ですが、
残念ながらインサイドセールスは新しい職種のため転職市場にはほとんど経験者は存在しません。

では社内の人員をシフト、となると、
どうしても有力な営業スタッフはフィールドから外すことができず、
新卒などの未経験者やあまり成績のよくない営業スタッフを廻す、ということがよく起こります。
しかし、これでは多くの場合、失敗します。

 

なぜならインサイドセールスには見込み段階の顧客に対し、
非対面での会話から顕在、潜在ニーズなどの情報を引き出すという、
非常に高い営業スキルが求められるからです。

 

<インサイドセールスに必要な能力>

・見込み顧客に寄り添い、現状を理解する「傾聴力」

・会話を通して課題に気付かせる「質問力」

・顧客とのコミュニケーションから「学ぶ力」

・さまざまな業界の動きや先端技術に対する「好奇心」

 

さらに、その際にあまり従来型の「売り込み」チックなスタイルではない方が良い、ともされています。

 

また、インサイドセールスを束ねるマネージャーには、
とかく属人化しがちな営業のトークスクリプトやアプローチ方法などを徹底して
「仕組み化」する能力
が求められます。

 

2.顧客データベースと商談管理システムの整備

 

マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスという各部門が連携して
一つのリードを受け渡しながら成約を目指すには、顧客情報と商談情報の共有が必要です。
Salesforceなどの営業支援、顧客管理システム(SFA/CRM)がないと、
Excelによる管理はいずれ限界を迎えます。

 

また、電話をする際に、見込み顧客が自社のサイトに訪問している、
どのページを見ている、どの資料をダウンロードしている、などが把握できる
MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入とセットで考えた方が合理的です。

 

こういったツールを活用すれば各部門がリアルタイムにリードの状況を把握できると共に、
翌週、翌月、次期など今後のリード数や商談数を予測できるようになります。

また、受注成約後にどこから得たリードで、どのコンテンツを見ていたか、
など履歴を遡ることでキャンペーン、コンテンツの貢献度やROI(投資対効果)を把握でき、
今後の改善にも役立ちます。

 

3.KPI設定、リード受け渡しルール整備

 

インサイドセールスのKPIを「荷電件数」や「アポ数」といった「量」だけで設定すると
「とりあえず件数だけ稼ごう」となり、引き継がれたリードの質が低下、
フィールドセールスのモチベーションまで低下し、失敗します。
あくまで評価基準はリードの質をメインに、活動量だけで評価するのは避けましょう。

 

また、インサイドセールスをマーケティングと営業のつなぎ役として機能させるためには
双方の「対応範囲」を明確にしておく必要があります。

どうなれば確度が高いリードと呼べるのか、
どのようにどのタイミングでフィールドセールスに受け渡すのか、
を共通認識としておかなければ、渡したリードがフォローされない、
複数の部署で同じリードをフォローしてしまう、
といった企業の信用度に関わる事態となります。

 

また「リードがこの状態になったら営業に引き渡す」という
<リードクォリフィケーション>の設定について部門間でよく話し合い、
納得の上で決定することが重要です。

 

<リードクオリティケーションの要件>は、商材や業界により異なりますが、

 

  • メジャー企業、業界影響度の高い企業である
  • 予算確保の時期が明確である
  • 導入希望時期と理由が明確である
  • 競合企業(の存在)を明示された
  • 自社と競合しない
  • 既に資料提供済みで訪社を希望されている
  • 価格感を伝え済みで訪社を希望されている
  • 決裁権を持つ、または決裁者に上申する立場の方である 

 

といった項目を上げ、その項目のいくつに当てはまったら引き渡す、というのが一般的と言えるでしょう。

 

4.Webサイト、セールスコンテンツの強化

 

インサイドセールスを機能させるためには最低限、
コーポレートWebサイトが競合他社と比類ないレベルに改善しておく必要があります。
また、活動し続けていくとさまざまな見込み顧客企業の抱える課題に応じた
説明資料を準備しなければならなくなります。

 

ニーズが顕在化し検討に入った後の製品、サービス紹介資料は共通でもよいですが、
まだニーズが潜在的な段階の見込み顧客に対しては業種業界、市場の現状や担当者の知識レベル(リテラシー)別に、
見込み顧客側の状況と課題に応じたコンテンツを準備する必要があります。

 

せっかくインサイドセールスが個別に課題をヒアリングしても、
それに対応する資料が一般的な売り込み資料だけでは、
「よくわからないからいいや」と放置されたり、
都度訪問して説明、となると従来と変わらなくなってしまいます。

 

前述の通り、
インサイドセールスはBtoBマーケティング施策と現場の営業をつなぐ架け橋となる存在です。
インサイドセールスのニーズに応じてセールスコンテンツを整備し続けていくことが
全体的な営業力強化につながるのです。

 

 


 

いかがでしょうか。

BtoB企業において、マーケティングを加速するために必要となる「インサイドセールス」についてご紹介しました。

大きくビジネス環境が変化する時代に俊敏に対応し継続した事業成長を目指すには、これから先、必ず必要となってくる考え方です。立ち上げの参考になれば幸いです。

 


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