09_製品カタログじゃダメ?「ソリューションパンフレット」制作のススメ

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今回は長年、制作を手がけてきたプロの目線で、BtoB企業の商談に効く「パンフレット制作のコツ」についてお話しします。

コーポレートWebサイト、会社案内パンフレットに続いて整備すべきは、当然「製品、サービス紹介資料」となります。

初回訪問時に活用する「概要紹介資料」を「ドアオープン/ドアノック(ツール)」と呼んだりしますが、
日本では圧倒的にキチンと印刷されたパンフレットになります
(再訪以降で必要なパワーポイント詳細資料はまた別枠でやります)。

 

「製品カタログ」ではなく「ソリューション パンフレット」を作ろう

「カタログ」と「パンフレット」の違いは諸説ありますが、

「カタログ」が「製品の目録的な役割」
なのに対して
「パンフレット」は「紹介資料」

という意味合いで私は使い分けしています。
(ちなみに一枚ものチラシは「リーフレット」、外資系企業ではこれらを総称して「ブローシャ」と呼びます)

「製品カタログ」は写真と機能表がずらっと並んでいる、ハードウェア製品によくあるタイプです。

 

それに対して「ソリューションパンフレット」とは、

「BtoB(企業間取引)の商談で使用される販促目的」の
「(業界や技術の)専門的な製品、サービス」を
それを購入する顧客目線「課題解決=ソリューション型」で構成されたパンフレット

という意味です。

 

何度もご説明の通り、BtoBにおいてはもはや、機能や価格だけでは導入を決定していただけません。

よほど特異な規格や性能を持ち、競合と比較して唯一無二の存在、であれば別ですが、
大概他社から似たような機能を持ったものが提供されていますし、もしかするともっと安い製品やサービスが存在します。

 

それらに打ち勝つには、商談時にお客様に対して

「これなら我が社の課題を解決してくれそうだ」
「この会社から買うのがどこより良さそうだ」

と端的に理解していただく必要があります。

 

それなのに、いまお使いの製品、サービス紹介は
「あれができます、これができます」「こんなのも付いてます」といった機能に終始したり、
ひどい場合は製品ラインナップ一覧表だけ、というものになっていないでしょうか?

 

いきなり機能説明、ではなくて、お客様側の課題を挙げて「あー、そうなんですよ」と共感、同意を得てから
製品やサービスの説明に入らないと、営業スタッフは商談現場で苦労します。

 

また、その製品やサービスの必要性、お客様企業側の課題がどこまで顕在化、認知されているか、というのも見極めが必要です。

「皆さんご存知」であれば余計な前フリはスペースの無駄ですが、
そうでなければある程度しっかり前段を説明しないと、商談は入り口でコケてしまいます。

 

自社商材の「ソリューション」の見極め方

 

まずは、

・どのような課題があるお客様企業が自社製品、サービスを選んでいただいてるのか?

をよく見極める事です。

 

できるだけ具体的な業種、業態、規模感、そしてお客様側の選定担当、意思決定層の年齢層なども明確にしましょう。
(これが「ペルソナ」です)

 

それが判れば、「どのような課題を挙げて、どのような説明が”刺さる”のか」は自ずと明らかになります。

 

私は長年、作り手の立場の仕事をしてきましたが、ここの自社製品、サービスの見極めが曖昧な企業がいかに多いか実感しています。「なんとなく、みんなにわかるように」ではダメなのです。

 

「誰が使うパンフレットなのか?」も重要

 

そんなの営業に決まってるじゃないか、と片付けてはいけません。

社内にもベテランから新人までトークスキル、営業としてのレベルがまちまちですので、
「誰が使ってもきちんと説明、理解していただける記述」を心がけましょう。

これまた「あるある」ですが、
ベテラン営業スタッフがプレゼンで使う図がドン、と置いてあるだけで一切の説明がなく、
若手営業スタッフはロクに説明できない、というシーンはよくあります。

 

また、BtoBにおいては代理店経由での間接販売、というのも非常に多いものです。

代理店の方々は他社を含め膨大な商材を担いでいますから、
「説明しやすい」「確実に売れる」製品、サービスを優先してお客様に紹介します。

 

「文字が多いと読んでもらえないからなるべく文字少なくしておく」となりがちですが、
特殊だったり高機能だったりするBtoB製品、サービスの場合は、
ある程度の説明がないと、誰にも理解できないものになってしまいます。

 

どこで使うか?も考える

 

BtoB商談は、対面してじっくり説明できるケースだけとは限りません。

展示会で立ち話で、セミナーで持ち帰り資料として、あるいは問い合わせのお客様に郵送して、なども考えられます。

そしてお客様側の社内検討や稟議の際に添付される可能性もあります。

 

対面、補足説明付きだけを想定して作ってしまうと、独り歩きした時に「なんだかよくわかんない」となるリスクがあります。

 


 

以上のように、製品、サービス紹介資料を作成する際には

  • お客様企業を明確にイメージして、お客様企業側の課題→どう解決(ソリューション)を記載
  • 相手(購入いただくお客様)だけでなく、使う人と、使う場面においても配慮する

という必要があります。

 

そのためには、いきなり説明文や図を作り始める前に、しっかり営業現場で何が起きているかを把握、見極めした上で、

  • どの順番で
  • どの説明を
  • どのくらいのボリュームで

という「構成」から始める、というのが、製品、サービス ソリューションパンフレット制作のコツです。

 

予算に限りがあるのは当然ですが、これらきちんと検討する前から2ページで、4ページで、などページ数を先に決めてはいけません。

 

あくまでも説明を受ける側(お客様)と使う側(自社、代理店の営業スタッフ)の目線で、
しっかり伝わって、売れるものにしなければいくら安く作っても意味がないのだ、という事を忘れないようにしましょう。

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