前回①は一斉配信「メルマガ」でも効果を高める対策についてご紹介しました。
今回②は、「いまどきのBtoBメルマガの実施方法」を、事例を交えてご紹介します。
「メルマガ」は、 MA(マーケティングオートメーション)ツールを使って配信しましょう
かつては「メルマガ配信ツール」を使うのが一般的でしたが、BtoBマーケティングにおいてメルマガを営業に役立てるには、それだともったいなさ過ぎます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを使うと、
- 送信成功率
- 開封率
- メルマガから自社サイトへ流入した数
だけでなく、
- 自社サイトへの流入者がどの企業の誰なのか
- その人がどのページをどのくらい見たのか
- ほかのどのページへ移動したのか
などが特定できます。逆に言えばここがわからないと、営業に役立てることはできません。
では、BtoBにおいて「メルマガ」を活用した営業活動について具体的な事例をご紹介します。
これらは前回の”一斉送信”とは異なる、営業をバックアップして強化するイマドキの「メルマガ」施策です。
事例① MAを活用して問い合わせ後の商談確度を高める
1)メルマガを送る
↓
2)問い合わせが入る
↓
3)MAツールでその人が(問い合わせ以前に)自社サイトのどのページを見ていたのかがわかる
↓
4)その点を課題と想定して商談、提案
↓
5)受注
ここでのポイントは、3)です。問い合わせ後だけではなく、Cookieを使って過去に遡ってサイト内での行動が把握できるのもMAの機能です。
問い合わせ時は「詳しい資料を送ってください」くらいで、その方の抱えている課題まではわかりません(聞けません)。
しかし、その前後の行動履歴から、「この方はこの情報(機能)に興味がある」と把握できることで、その後の資料提示や商談の仕方が変わり、成約への可能性が高まるのです。
もう一つ、最近流行りの「名刺読み取りアプリ」を組み合わせて、展示会やセミナーフォローを強化することも可能です。
事例② 名刺アプリ+MAを活用して展示会、セミナーフォローを強化
1)展示会、セミナーを開催
↓
2)獲得した名刺をアプリでデータ化
↓
3)MAで即日にお礼メール送信
↓
4)早期のアポ獲得
↓
5)成約
従来、展示会やセミナーで獲得した名刺に対してお礼メールを送信するには3日~1週間程度のタイムラグがありました。
しかし、名刺アプリサービスの登場で、その場でデータ化が可能です。多くのMAツールは名刺アプリサービスと連携しているので、うまく活用すれば即日にお礼メールを送信することが可能になりました。お客様は展示会で複数の企業のブースを訪問し、数日たてばどこがどのサービスだったか記憶が曖昧になります。個別セミナーであっても、その後のフォローは早ければ早いにこしたことはありません。
即日は大げさでも、翌日にお礼と共に当日お見せした資料を送ることで、お客様側は社内での共有も可能になりますし、すばやい対応で信頼性も増しますので商談アポの日程調整も早期に、やりやすくなります。
事例③ MAを活用した「ステップメール」でナーチャリング自動化
*「ステップメール」とは、ある時点(資料請求日、名刺交換日など)を起点として、あらかじめ準備していた複数のメールを、スケジュールに沿って、順次配信するマーケティング手法です。
1)事前に見込み顧客の検討フェーズごとのメルマガコンテンツを整備
↓
2)名刺獲得から、タイマーにより自動でメルマガを順番に配信
例)
初 回:自社および製品概要のご紹介
第2回:製品のシェアなど「選ばれる理由」
第3回:製品の使い方とメリット その①(標準編)
第4回:製品の使い方とメリット その②(拡張編)
第5回:製品の導入事例
第6回:製品開発の背景、想い
上記を2週間隔など、自動で配信
↓
3)上記のメールから自社サイトへの流入など、反応があったお客様をMAで把握し、優先的にフォロー
↓
4)競合に先駆けて提案、受託
この「ステップメール」は、エンドユーザのナーチャリング(見込み顧客育成)だけではなく、販売代理店などのパートナー企業への営業情報提供にも有効な施策です。
一度に大量の情報を提供しても咀嚼されにくいため、順を追って説明していける利点があります。
BtoB「メルマガ」のコンテンツ整備法
「メルマガ」の最大の悩みは、コンテンツの準備です。個別に用意すると膨大な管理が発生し、現実的ではありません。
しかし、逆に考えれば、月に1回配信なら年間12回、月2回(隔週)配信でも年間24回のコンテンツがあれば、その不安は解消されるのです。
スタート時に手間はかかりますが、
- ペルソナとカスタマージャーニーを(簡易的でも)想定し、おおよその自社商材の検討フェーズを分析する
- その検討フェーズごとに求められる資料を整備する (概要パンフ、導入事例、選ばれる理由など)
- 社内でムリなら外注してメルマガ コンテンツを制作しておく
という準備をすれば、あとはほぼ、自動で回すことが可能です。
3.に関しては、まとめて制作する必要はありません。今月は来月配信分を、という具合に順番に制作すればよいのです。ポイントは「その都度考えるのではなく先に計画を立てる」ということです。
また、この準備が毎年必要か、と言えばそうでもありません。もちろん新商材が誕生したり、機能が変更になったりする場合はコンテンツの更新が必要ですが、そこまでサイクルは早くない企業も多いと思います。
また、メルマガの多くは「開封もされずに読まれていない」ものです。そのため2年目以降は、1年目のコンテンツの多くを流用して再配信でも問題ありませんし、反応のよかったコンテンツを深堀するなど、1年目よりはデータがある分だけ、確実にやりやすくなります。
いかがでしょうか。2回にわたってBtoBにおける「メルマガ」のやり方についてご紹介してきました。
大切な顧客に対しての情報発信ですので慎重にならざるを得ませんが、大げさに構えるといつまでも始められません。
また、内容もあまり堅苦しい「お知らせ」だけでは相手も読む気にならず、読んでいただかないことには本末転倒です。
一方、メルマガは持続力が重要ですので「いかに効率的に運用できるか」を念頭に置いて、事前にネタ繰りして、しっかり準備して始めましょう!
BtoBマーケティングのコンテンツ整備でお悩みなら…お気軽にお声がけください!
株式会社Red Comet Management
コメント