企業の販促活動において、マーケティングオートメーション(MA)に注目が集まっています。
しかし、世の中のMAツールの説明はBtoC、BtoBを問わず、「大企業向け」が多く、非常にわかりづらいです。
また、「MAを導入すればすべての課題が解決する!」という魔法の箱かのような誤解があるように思います。
なぜか。
MAの説明が、あまりに「定義」と「機能」に終始していて、
実際の現場でどう使うのか、何に使えるのか、の説明が足りていないからだと考えます。
ここでは「BtoB」「中小企業向け」 に絞り、「MAの理想と現実~すぐに始められる導入方法」についてお話します。
MAはどんな商材の販促に向いている?
- 潜在ニーズは存在するが、まだ認知が浅いため啓蒙が必要な商材
- 市場環境が変化し、これから先ニーズが高まると予想される商材
- 購入の検討を始めてから、実際に購入となるまでの期間が長い商材
- 中小企業向け、単価が安いなど、従来よりも効率的に、
大量の営業活動(ボリュームプレイ)が必要な商材
こうしてみると、BtoB商材でも、そして中小企業でも幅広く活用すべきであることがわかります。
というよりむしろ、営業やマーティングのリソースの少ない中小企業こそ、
自動化できるところを頑張って自動化してMAを活用するメリットは大きいのです。
MAは何をオートメーション(自動化)するのか?
上記のような商材を営業する際、営業スタッフが日々行っている、
見込み顧客に対する商談と追客という「活動」
です。
もう少し具体的には、
環境変化やトレンドを説明、同業他社の情報を提供して、潜在顧客を見込み顧客に熟成していく商談活動
これをマーケティング用語では「リードナーチャリング」と呼びますが、
MAツールは、その活動を、Webなどを通じて「自動化」し、「効率化」するためのものです。
・・・たいていの方は、この説明でつまずきます。
もう少し、説明を続けます。
わかりやすくするために、「定義」ではなくさらに具体的に説明しましょう。
今までの新規顧客獲得のための営業活動の課題
新規獲得のための営業活動、というと
テレアポ→アポ取得→訪問、ヒアリング→ニーズの把握→提案→追客
というのが一般的です。
この時に、大きく2つの課題があります。
1つ目は、 なかなかアポが取れない
2つ目は、 追客がなかなかうまくいかない
です。
MAツールは、
1つ目は自動化こそできませんが支援することが可能で、
2つ目についても、大きく効率化したり、支援することができます。
どうやるのか。「Webサイト(ページ)」を活用するのです。
BtoBはWebじゃ売れないから要らない? ~「インバウンドマーケティング」強化の考え方
BtoB商材を抱える多くの営業サイドの、特にベテランの方から、
「ウチの商材はWebでは売れないよ」
という声があがります。
Webで売れたら苦労はしない、というのはもちろんそうなのですが、
なにもWebで通販サイトのように購入してもらおう、という話ではありません。
あくまでも、
訪問してなんども商談してクロージングしていく過程を、もう少し効率化できたら嬉しくないですか?
というお話です。
BtoBではあり得ない、できるはずがない、そんな事はありません。
実際、テレアポして運良くキーマンに接触(電話で)できたとしましょう。
その方が何をするか?
まず間違いなく、電話越しに聞いた「会社名」や「製品、サービス名」を検索して、Webページを確認するでしょう。
その際にWebページがない、整備されていないのであれば、
残念ながらMAツール検討の前に、それを先にやる必要があります。
「(それなりの)Webページはあるよ」という事なら先に進めます。
ご紹介した製品やサービスのWebページに、MAツールのタグを埋め込んでおき、ログを取得します。
少し乱暴ですが、簡単にいうとその足あとにより
- どこの会社の誰なのか、という個人が特定できる
- その人がいつ訪問されてどのページをどのくらいご覧になっているかがわかる
また、
- どの資料をいつ誰がダウンロードしたのかわかる
といった情報が取れたらどうでしょう?
さらに、テレアポした相手だけではなく、
- 検索して訪れた、名前も知らない見込みのお客様(いま製品やサービスを探している方)についても、同様の情報が手に入れられる
としたら、ものすごく魅力的ですよね?
いまテレアポや紹介に頼っている見込み顧客探しを、
属人的ではない、デジタルなフローやプロセスを加えて、営業活動を見える化、効率化しよう、ということです。
これがいま、どの企業も力を入れている”「インバウンドマーケティング」のMAによる効率化”となります。
BtoB商材、営業活動におけるMAツールとは、
まさにこの「インバウンドマーケティング」を効率的に強化する役割のものといえるのです。
Google AnalyticsとMAの違い
Google Analyticsに代表されるWeb解析ツールは、基本的に訪問数や滞在時間などの数値データしか把握できません。
それに比べ、MAツールは前述の通り、「どの企業の」「誰」が、まで把握できます。(把握するための仕掛けが必要ですが)
これが大きな違いです。
訪問数や滞在時間などの数値データは、不特定多数のマスを対象としたBtoC商材では有効な情報ですが、
ある特定層を狙い撃ちするBtoB商材ではほとんど意味がありません。
多くの人に見てもらったとしても、その中に見込み顧客がいないと全く無意味だからです。
次回はもう少し、世の中一般的に言われているMA導入における問題点をご説明します。
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